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10月

特定処遇改善加算と改定後の配分ルールの変化について

介護業界の給与に関する職場環境を改善するため、2019年に特定処遇改善加算というものが導入された。特定処遇改善加算とは簡単に言うと、国保連がお金を出して、ベテランの介護職にもっと給料をあげましょう、という取り組みだ。長い期間働いても給料が増えないという介護業界のネガティブなイメージを払しょくするための試みである。

特定処遇改善加算を実施するにあたって「ベテランの介護職」が定義されている。基本的な定義、つまり国保連からお金を貰える条件は「勤続10年以上の介護福祉士」ということである。しかし実際はベテランの定義は各事業所がある程度柔軟に決めることができ、勤続年数10年以下でも対象になることがある。また、与えられる給与を事業所の采配次第で分配することもできるのが、特定処遇改善加算の特徴だ。ベテランの介護職のみに全てを与えることもできるが、ベテランの条件を満たさない介護職員や事業所内の介護職以外の職員にも分配ができる。

しかし、分配のルールは決まっている。2021年の改定後の配分ルールは、条件を満たさない介護職員がもらえる分は、介護職以外の職員がもらえる分の倍でなければいけない、そしてベテランの介護職がもらえる分はベテランでない介護職より多くなければいけない、というものだ。つまり「あくまでベテランの介護職を優先しましょう」ということだ。特定処遇改善加算の今後の課題は、この制度を実施する事業所を増やすことだ。現時点では特定処遇改善加算の実施は義務ではなく、申請した事業所だけが行うことになっている。今後も改定を行い、全ての事業所が介護職の待遇改善に参加できることを期待したい。